補助犬と暮らすということ・・
「皆さまお久しぶり 聴導犬シェリーです」
シェリーは2年前、当会から聴導犬として聴覚障害者の元へ巣立ちました
でも先週3日間、里帰りしていました
理由はシェリーの使用者さんが旅行に出掛けたからです
補助犬なのに旅行に連れて行かないの?
身体の一部じゃないの?
補助犬は障害者の身体の一部として何時でも、何処でも一緒です
しかし、今回は留守番という選択を選びました
理由は気温です
シェリーの使用者さんは年1回、家族で旅行をされています
家庭の事情で「夏休み」以外の時期は難しく、マイカー旅行も困難
でも年1回の家族旅行なのだから、中止にする!選択はしてほしくない
旅先で数分~数十分野外で過ごす可能性を考慮し
シェリーは留守番させましょう!という結論になりました
今回のシェリーは気温が理由でしたが
海外に仕事で出張の場合、地域によっては
補助犬は同伴させないように当会は決めています
アジア圏など現在も、野犬やリードに繋がれていない犬が多いこと
また、狂犬病が発生していることが理由です
補助犬とは生きた自助具です
生きているということは
感情(嬉しい、楽しい、辛い、悲しい、恐怖など)があります
喉が渇き、お腹が減ります
排泄をします
病気になります
老います
そして死にます
補助犬の使用者は生きているが故の不自由さを含めて彼らとの暮らしを選択しています
毎日の生活の中で
「暑いから出勤時間を1時間早めよう」
「駅まで歩かせるのは暑いからタクシーで移動しよう」
「いつもの排泄時間じゃないけど・・ソワソワしてるからトイレに連れて行こう」
「暑いから給水タイム増やそう」
「体調良くないみたいだから今日は休ませて病院に連れて行こう」
常に犬を思いやり、補助犬達が肉体的、精神的に健康でいられるよう
使用者が努力することで信頼関係を築き、素晴らしいチームになります
自分の事情や便利さを優先する人は
補助犬と暮らしてはいけないのです
最近、補助犬に関する悲しい情報が続き
「ロボットでいいのでは?」
という声を耳にします
しかし愛犬家の皆さんも「ロボット犬と暮らしたいか?」と聞かれ
「ロボット犬!」を選ばないのと同じように補助犬もロボットではダメなのです
感情があり思い通りにならない、病気をする、老いる、死んでいくからこそ
喜びを与えてくれたり、愛おしくかんじたりしてかけがえのない存在になるのです
使用者の多くは補助犬の肉体的、精神的健康を最優先して生活しています
そして彼等にとって補助犬は便利な道具ではなく最愛の相棒(友達)であることを
皆さまに知っていただきたいと思います
これからも使用者の横で喜々として活躍する補助犬達と
そんな相棒を愛おしい眼差しで見つめる補助犬使用者さん達を応援してください
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